宮城県仙台市にある太白山トンネル。(たいはくさん)
この林の暗がりの奥に小さな廃トンネルがある。下調べした感じだと中に入れそうだったので期待して赴いたが、手前に立入禁止のロープが張られていたため、残念だけれども少し離れた場所から撮影した。寒くなって落葉すればここからでも坑門を眺められるのかもしれない。
太白山トンネルは1914年(大正3)に開業した秋保電気鉄道(当初は秋保石材軌道という馬車道だった)の旗立駅~太白山駅間にあった鉄道用のもので、秋保温泉の湯治客の輸送と秋保で採石された石材の運搬に利用された。経営不振に陥り惜しまれながらも1961年(昭和36)に廃線となった。
便宜上、太白山トンネルと紹介しているが、ネットで調べると『太白山トンネル、太白トンネル、旗立トンネル』などと様々な名前で呼ばれている。電気車研究会が発行する雑誌に”トンネルは月ヶ丘ー太白山間の第1号(83.64m)”とあるので、ネット上で紹介されているのは通称で正式な名称はないのかもしれない。或いは『第1号トンネル』と呼ぶべきであろうか。
このトンネルには心霊スポットの噂が流れている。
列車事故による犠牲者の幽霊が出没するらしい。トンネル内に緊急避難できるようなスペースが設置されているから、これをオカルト界隈の人々が観察して歩行者と列車の接触事故を連想したのではないかと当て推量してみる。実際に接触事故が起きていても不思議はないが。
前述した電気車研究会の雑誌に『線路の状態が悪く、脱線は日常茶飯事だった』といったことが書かれている。ただ事故の詳細は書かれておらずトンネル内、もしくはトンネル付近で事故が発生したのかはわからないし、死傷者がいたかどうかも不明である。
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