豊間トンネルに流れる心霊スポットの噂の根拠は?

豊間トンネル

福島県いわき市平豊間と同市平沼ノ内を繋ぐ豊間トンネル。

竣工、或いは開通の年月は1970年(昭和45)6月。

延長:120m

幅員:8.5m

高さ:6.0m。

豊間トンネルには心霊スポットの噂が流れている。

何の変哲も無いトンネルだが、過去に大きな事故や事件でもあったのだろうか?

それでは噂の根拠になりそうなものを紹介しようかと思う。

 

中田横穴の存在

豊間トンネル

トンネルから800m程離れた場所にある中田横穴。

これは6世紀末に作られた装飾横穴墓で、福島県道15号線の新設工事の途中、1969年(昭和44)1月20日に発見された。

副葬品には、わが国最大級の金銅製馬鈴をはじめ、装身具385点、武具747点、儀装馬具169点、そのほか鏡など、古墳時代を代表する遺物が多数出土しています。

現地案内板より

後室部からは幾らかの遺骨も出土したとのことである。

ここより北方の高久地区にある古墳は、海や平野が見渡せる眺めの良い小丘に作られたが、中田横穴は見晴らしの悪い奥まった場所に作られている。このことから高久地区の古墳と中田横穴の被葬者の身分には大きな差があったのではないかと考察されている。

 

供養塔について

豊間トンネル

中田横穴から道路を挟んで向かいの空き地に供養塔が安置されている。

以下に碑文を引用する。

供養塔

人々の靈よ

安らかに眠れ

昭和四十六年六月十八日 〇〇 〇 建立

祈交通安全

人生は究めれば自分の心とのたたかいだと思います。幻影に怖える者は自分の心に影があるからで松の木も又亡靈に見えるもの霧も又亡靈にみえるもの

自ら省みて正しくば靈魂も又味方するもの

心すべきは目に見えぬ幻影に怖えるよりもよりも生きた人々の不信、疑惑、無知、貪欲、嫉妬、憎惡、病氣、貧乏、焦燥、恐怖、迷信、謀略、慢心、小心、怒り等々、この方が餘程恐ろしいと思います

幻影に怖える勿れ

心の影に怖え交通事故等を起さぬよう古よりの人々の靈に冥福を祈り心から供養いたします

建立者撰文

1971年(昭和46)6月建立とあるからトンネルが通ってからちょうど1年後になる。

どう読み取ったらいいだろうか?

私の霊に対する思想とちょっと似ている気がする。

いちのまる
いちのまる

よこしまな思いがあるから何でもないものが亡霊に見えてしまうのです。

あなたが品行方正ならば霊魂は味方にすらなりましょう。

そんなことよりも注意すべきは悪い感情に囚われた人間です。

人間ほど怖いものはないのですから……。

亡霊は幻影です。むやみに恐れないでください。

そんなものに恐れて交通事故などを起こさないように、古からの人々の霊に冥福を祈り心から供養します。

『古よりの人々』は中田横穴の被葬者を指しているのだと思われる。

もしかすると道路開発の最中に古墳が発見されたことで『この辺には幽霊が出る』と噂が立ってしまい、そんな噂を聞いた碑の建立者は『馬鹿らしいと思いつつも、こんなことでは遠いご先祖様が浮かばれない』といった気持ちから供養塔を建てたのかもしれない。

事故や事件が背景にあって供養塔を建てたならまた話は変わってくるが、私の調べた範囲ではそのような情報はなかった。もし何か情報をお持ちの方がいらしたら是非教えていただきたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました