福岡県田川郡川崎町真崎にあった英彦山湯~遊~共和国。
英彦山グランドホテルとも呼ばれている。
英彦山湯~遊~共和国は地域おこしの一環として1990年(平成2)7月1日に建てられた多目的温泉保養館で、40の宿泊室、ラドン温泉、サウナ、天然ラジウム温泉、温水の流れるプールなどがあった。
オープン当初の日帰り入浴料は大人が1800円、子供は900円。(後に安くなっている)
宿泊料は一人9000円から18000円だったそうだ。
著名な観光地でもないのに強気な価格設定だと思ってしまうが、バブルがはじける寸前だったのでこれくらいが相場だったのかもしれない。
最盛期の年間利用客は約30万人にも上った。
YouTubeで『英彦山湯遊共和国』と検索すると当時のCMが見れるので、気になる方は御覧あれ。
1992年(平成4)9月18日の西日本新聞・朝刊。
運営会社の経営難について書かれていた。
運営会社が約25億円の負債を抱え準自己破産の申請。長期的な借金が多く地道に運営していけば返済出来るということで英彦山湯~遊~共和国の経営は継続された。
やはり、バブル崩壊の影響だろうか?
一度は傾いたが、しばらくの間は持ちこたえたようだ。
2003年(平成15)11月24日、西日本新聞・朝刊。
社長へのインタビュー記事を見つけた。
・英彦山湯~遊~共和国開業の経緯について
・従業員に対する心構え
・経営と地域おこしに対する思い
などが書かれている。
2007年(平成19)9月12日、西日本新聞・朝刊。
英彦山湯~遊~共和国が破産手続きしたとあった。施設は2007年の5月に完全封鎖。
債務の一部の免除受けながら立ち回っていたが、返済の目途が立たず運営が続けられなくなったようだ。
その後、廃墟となり長い間放置され、多くの招かざる客たちによって荒らされてしまった。
心霊スポットと噂されるようになったのもこの時期であろう。事件や事故があった情報はないので、廃墟特有の不気味さから噂が立っただけの根拠なき心霊スポットだと思われる。
現在、廃墟は解体され跡地にソーラーパネルの発電所が設置されている。
終わりに
跡地のソーラーパネル発電所は立入禁止である。フェンスで囲まれ監視カメラが設置されている。
文化財的価値のある廃墟は保護して残していくべきだと思う。しかし、そうでない廃墟は残しておいても荒らされるだけなので早々に撤去した方がいいと思っている。(後々史跡的な扱いを受ける可能性も捨てきれないが、それを待つにはリスクが大きすぎる。)
まぁ、そうは言っても莫大な撤去費用がかかるため簡単にはいかないのだろうが。
※追記
読者様から『英彦山湯~遊~共和国』の前身についてのコメントをいただいたので最後に引用する。
英彦山湯~遊~共和国の前身は田川ラジウムランドでした。
1970年前後に作られた遊園地を併設した温泉宿泊施設でした。
その数年後、閉園となって遊園地施設は撤去され、宿泊施設だけが残ってました。
1990年頃、廃墟となっていた宿泊施設が改修されて英彦山湯~遊~共和国に生まれ変わった次第です。
開園された頃の田川ラジウムランドの賑わいは忘れられません。母里太兵衛 さまのコメントを引用
遊園地付きの温泉センターがあったとは…。ヤフオクにて、ここで開催された花火大会のポスターを発見しました。そこに『田川ラヂュウムランド』と書かれているのが時代を感じさせます。母里太兵衛 殿、この度はコメントありがとうございました。
コメント
英彦山湯~遊~共和国の前身は田川ラジウムランドでした。
1970年前後に作られた遊園地を併設した温泉宿泊施設でした。
その数年後、閉園となって遊園地施設は撤去され、宿泊施設だけが残ってました。
2000年頃、廃墟となっていた宿泊施設が改修されて英彦山湯~遊~共和国に生まれ変わった次第です。
開園された頃の田川ラジウムランドの賑わいは忘れられません。
母里太兵衛 殿
コメントありがとうございます!
そのような前身があったとは…。
本文中に引用してもよろしいですか?
いちのまる 様
一部訂正がございます。
×2000年頃、廃墟となっていた宿泊施設
〇1990年頃、廃墟となっていた宿泊施設
記憶違いで申し訳ありませんでした。
誠に恐縮ですが引用されても結構です。
母里太兵衛 殿
ありがとうございます!
後日、引用文を載せさせていただきます。
このような情報をいただけるととても嬉しいです!