馬神トンネルは多久市と武雄市を跨ぐ馬神峠に穿たれたトンネル。
幽霊出没の噂が流布されているけれども、根拠となる事件や事故はあるのだろうか?
では、その歴史を紐解いてみよう。
馬神トンネルの場所
現役の馬神トンネルは佐賀県道24号武雄多久線上にある。
心霊スポットと知られているのは旧道の馬神隧道の方だ。
何故、心霊スポットなのか?
2019年6月4日の佐賀新聞『佐賀は何の日?』に馬神峠トンネルが1888年(明治21)に完成したと記されている。
これが初代・馬神トンネル。
現在は殆ど埋もれてしまったようだが、まだ残存しているとのこと。
2代目は1928年(昭和3)に開通。
こちらが心霊スポットとして有名な馬神隧道である。
現在の馬神トンネルは3代目ということになる。
1998年(平成10)4月28日の西日本新聞に第3トンネル開通時の様子が書かれていた。
2代目の馬神隧道は幅4.9mの狭隘なトンネルで、大型車の離合が困難で頻繁に渋滞が発生していたと云う。
馬神峠は古来より交通の要衝であった。
戦後の食糧難の時期に峠付近が開発され、南の北方町が炭坑の町だったため行商人たちがリヤカーを引いて峠を往来した。
隧道付近には湧き水が出ている場所があり、水飲み場として賑わっていたそうだ。
残念ながら峠やトンネルの歴史から心霊スポットを連想させる事柄は見つからなかった。
佐賀女性7人連続殺人事件と関連?!
幾つかの心霊スポットのサイトを拝見すると、馬上トンネルは『佐賀女性7人連続殺人事件』に関する曰く付きの場所と書かれていた。
どうやら旧馬神トンネルの近くに被害者の死体が遺棄されたのではないかと噂されているようだ。
ざっくり調べたが、旧馬神トンネルは遺棄現場では無い。
恐らくは7名の内3名が発見された北方事件の遺棄現場を指すのだろうが、現場はトンネルから2.5km以上離れた別の峠であった。
この事件が心霊スポットの根拠と云うならば、似非心霊スポットと言わざるを得ない。
終わりに
根拠の無い心霊スポットは『なんだかなぁ…。』と毎度思ってしまいます。
写真は武雄市側にあったお地蔵様。
峠の道祖神だろうか?
コメント
馬神の心霊の噂はミカン泥棒対策で地元民が流したそうです
匿名さん
コメントありがとうございます!
なるほどです!貴重な情報ありがとうございます。
本文にも記載させていただきます。