この隧道は団体営農道整備事業として昭和47年に当時の村長原田清守氏によつて計画され昭和48年より5年間で総延長727米内隧道245米道路482米を総工費1億7千3百万余を投じ完成したものである 昭和53年5月 秋山村長 守屋竹寅
現地石銘板より
1978年(昭和53)に竣工された長さ245mの桜井隧道。
坑門に埋め込まれた石銘板に隧道の成り立ちが刻まれている。
現在はすぐ隣に秋山トンネルが開通したため交通量は殆ど無い。
桜井隧道へのアクセス
公共交通機関を利用するならJR上野原駅で下車し、無生野行きのバスに乗れば行けないこともないが、本数は極めて少ないため現実的では無い。
車の運転が出来るなら自家用車かレンタカーで向かおう。
上野原ICを下りて丁字路を『大月・秋山』方面へ。秋山方面へ道なりに秋山トンネルを目指す。秋山トンネルの手前の側道を右折。300m先に桜井隧道がある。
心霊スポットの噂について
一部の心霊スポットサイトや数名の心霊youtuberが紹介しているだけで心霊スポットとしての情報は少ない。
どれも『トンネル内で女性の死体遺棄事件があったらしい。』という漠然とした根拠が語られている。
本当だろうか?
竣工年は1978年(昭和53)である。そこまで古くない。
もしトンネル内で遺体が発見されるような不審な事件、もしくは事故があったならば何かしらの記録に残っていそうなものである。
手の届く範囲で昔の新聞記事を調べてみたけれど徒労に終わった。
なんちゃって心霊スポットかしら?
赤鬼の伝説
秋山の民話に桜井峠の近くに一本角を生やした赤鬼が住んでいたという伝説がある。
こいつはとても乱暴で田畑の作物を荒らしたり柿や梅の実を好きなだけ持って帰る悪い鬼だった。
集落の人々は困り果てて諏訪神社に祈願して赤鬼を追い払うことにした。
諏訪神社の神様は『捕まえて二度と悪さをさせないようにするから鎖を作ってきなさい。』と彼らに伝えた。
何日も掛けて長い鎖を作って奉納すると神様は『よし!行ってくる。』と言って、さっさと赤鬼を縛り捕らえ、力一杯に森の方へ投げ飛ばすと、赤鬼は石の塊の様になって落ちていった。
赤鬼は口もきけず、動くこともなく、手を付いて頭を下げている姿のまま大きな石になっていたと云う。
集落の人々はこの辺りを鬼石高地と呼んで、近づかなくなったとさ。
桜井隧道から西に300mほどの距離に諏訪神社がある。この伝説に登場する神社だろう。
この辺りはむかし金の採掘場があって様々な鉱物が採れたらしい。この赤鬼の伝説もそれに関係する物語だと思われる。
幽霊とは関係ないかな。
終わりに
桜井隧道の近くに『真福寺のやすらぎ観音』が建っている。
亡き母や子孫繁栄のため、一生懸命働き逝去した婦女子の供養のため、
女性の福徳を顕彰するために「やすらぎ観音様」を建立しました。土台の部分は、散骨場となっております。ここのみ宗派問わずどなたでもお入りになれます。
禅宗 建長寺派 桜井山 真福寺HP 境内案内より
墓地である。
まさかとは思うが、これを幽霊の根拠と言うまいな?
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