霞ヶ浦の西の畔の稲敷郡美浦村。これで『みほ』村と読む。
村の湖岸には霞ヶ浦分院と称される有名な廃墟系心霊スポットがある。
霞ヶ浦分院の前身は鹿島海軍航空隊基地で、司令本部庁舎、兵舎跡、ボイラー、発電機棟などの遺構が残る。
鹿島海軍航空隊は1938年(昭和13)に発足。終戦の1945年(昭和20)に解隊した。主に霞ヶ浦の地の利を活かした水上機の訓練が行われていたと云う。
1946年(昭和21)、東京医科歯科大学が基地の跡地に大学と予科を設置。その翌年に付属の病院を開院した。
最盛期には病棟が3棟、165床の規模を誇った。1955年(昭和30)頃には一日の平均入院患者が140人前後あったそうだ。当初は結核患者の受け入れを中心としていた。医療の発展に従い患者数が減少。1997年(平成9)に閉院した。
基地時代の司令本部庁舎(上の写真)が病院本館として使用されていたが、他の建物は木造だったため残っていない。
終わりに
『霞ヶ浦分院跡地は大山湖畔公園をして生まれ変わる』と美浦村のホームページで紹介されている。
敷地内にある廃墟はどれも歴史的な戦争遺構なので保存の意味も含め自治体と管理会社がタッグを組んだのだろう。保管が成るのであれば多少商売っ気が見え隠れしても良いではないか。
ところでこの廃墟には心霊スポットの噂がある。戦争史跡&廃病院なので噂が立ってしまうのも仕方があるまい。そのような見方もまた一興。色々と思案を巡らせながら分別をわきまえて見学する分には何の問題もないと思うのだ。
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