静岡県賀茂郡東伊豆町の稲取岬にある廃墟、稲取観光ホテル・エメラルド七島。
奥の建物が本館で、手前の淡いイエローの建物はモラモラという洋館だった。
2006年(平成18)の報知新聞によると部屋数は全館で118室。ホテルHPには2000年(平成12)時点でバス・トイレ付158室(和129、和洋6、洋20室、スウィート3室)、収容人員は800名とある。
全ての部屋から太平洋を一望することが出来た。2階には陶器の風呂と檜風呂、7・8階には露天風呂付きの展望大浴場が備え付けられていた。お湯は約80度の塩化物泉と約32度の単純泉をブレンドしたものを適温にしてかけ流していた。
2007年(平成19)には北投石を使用した岩盤浴コーナーもオープンしている。20億円もの価値のある北投石を使用していると謳っていた。岩盤浴のお蔭でアトピーや癌が完治したなどという怪しい情報も残っている。
食事は名産のキンメダイ、イセエビやアワビなど、新鮮な海の幸を提供していたそうだ。また60種類以上のバイキングを売りにしていたらしい。
終わりに
稲取観光ホテル・エメラルド七島の開業及び閉業の正確な時期はわかっていない。
1969(昭和44)の航空写真を確認すると同位置に建物が確認出来る。しかし何の建物かまでは判然としない。現地の図書館で過去の新聞を調べるか、登記簿を取り寄せれば開業日がわかるかもしれない。試しにネットの登記簿サービスから検索してみたけれど、地番未登録地だったため取り寄せられなかった。法務局まで赴くのはちょっとしんどいのでこれ以上の調査はやめておく。
ホテルHPのURLは2013年(平成25)3月まで生きていたが、同年末頃になると全く関係の無いページに飛ばされてしまう。恐らくは2013年の前後に閉業したのだろう。ホテルが運営していたブログは2012年(平成24)5月24日の『どんつく祭り』の記事を最後に途絶えている。
心霊スポットを紹介するサイトなので、一応それにも触れておく。殺人事件があったと紹介するサイトもあるようだが、出典は示されていない。特に理由がなくとも噂されてしまうのは廃墟の宿命だろう。
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