新潟県長岡市にある人面トンネル。『じんめん』ではなく『ひとづら』と読む。
1983年(昭和58)8月竣工、開通式は同年9月6日行われた。延長380m、幅7.0m、高さ4.7m。
人面は集落の名前で、その語源は『四人村(しとむら)』『四人面(しとづら)』ではないかと云われている。これは4名の人物が村を開拓したことに由来するらしい。
人面集落の起源ははっきりしていないが、少なくとも江戸時代以前には成立していたと考えられている。その根拠は小字名の『城ノ腰』、また集落内に『城山』『元屋敷』と呼ばれる区画があるからだ。小規模な城(砦)を中心とした小さな集落があったと想像できる。
『栃尾市史 別巻2』に以下のように記されていた。
城と言っても砦か見張台のようなものだったと思われるが、秩序が安定した江戸時代になると不必要なものであるから、戦国時代に設けられたものと思われる。城と『元屋敷』は無関係ではあるまいから、人面の集落の成立を戦国時代までさかのぼらせることは可能かと思われる。
尾市史 別巻2 第10節 人面より
終わりに
心霊の噂の根拠なんだろうか?
データベースサービスで過去の新聞を調べると1件だけ人面トンネルに関する事故の記事があった。
2005年(平成17)にトンネル内でトラック同士が衝突した結果、男性が1名亡くなっている。
ここで事故や事件が多発しているということはなさそうだ。おそらく『人面』という名称がいろいろな想像を掻き立て噂が流れ始めたのではないだろうか。
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