さいたま市指定天然記念物の薬師堂のマキ。
塚本薬師如来のお堂の前庭に植えられたイヌマキの巨木である。
写真の参道両脇にある巨木の右がイヌマキ。左はイチョウの樹。
目通り幹回り二.二五㍍、高さ約十七㍍(平成七年現在)にも及んでおり、この地方のものとしては、かなりの大木といえます。枝張りも良く、自然のままの姿には古木としての風格もそなわっていて、見事なものです。また、古木にもかかわらず、樹勢もきわめて旺盛です。近郷の名木として、保存価値の高い樹木といえます。
現地案内板より
樹齢がどれくらいなのか気になるところですね!
藥師堂
弘法大師ノ作レス藥師ヲ安ス西方寺持ナリ
新編相模国風土記稿 足立郡之二十より
1841年(天保12)に編纂された新編相模国風土記稿に薬師堂の記述がある。
弘法大師云々は流石に伝説の域を出ないだろう。
西方寺は曹洞宗の寺院で含室秀大という人物が開山したと伝わる。明治時代初期に廃寺になったため現在は別の寺の敷地になっているようだ。
薬師堂のマキの周辺は荒川の堤防の外に位置していたためしばしば水害の被害にあった。
そのため昭和後期に集落移転の計画がされ、平成の初め頃に全住民が堤防の内側に引っ越している。
農地は現在も使用されているので、私が訪問したときにはちらほらと人は見かけたが、誰も住んでいないという意味では廃集落と言ってもいいのかもしれない。
すぐ近くにサーキット場やグラウンドがあるので廃集落とは思えないほど賑やかな場所である。
薬師堂のマキは心霊スポットとして知られている。
イヌマキの樹に何らかの曰くがあるのかと思っていたが、どうやらそういう訳ではないらしい。
この薬師堂の敷地に幽霊が出ると噂されているようである。噂の根拠となるような事故や事件は恐らく起きていない。単に廃墟的な薄暗い雰囲気と墓地の存在がそう思わせているのかもしれない。
田舎の村落に行けばよく見る光景であり珍しくもなんともないが、ここは運が悪かった。
というのも…。
終わりに
2019年(平成31)にとある有名Youtuberグループが薬師堂のマキを心霊スポットとして紹介したことにより一気に有名になった。心霊スポットを扱う有名どころのサイトを幾つか確認してみたが、やはり2019年(平成31)以降に情報を公開している。
GoogleやTwitterで過去の検索してみると僅かではあったが薬師堂のマキを曰く付きの場所と紹介する情報もあった。
有名Youtuberに紹介される以前は知る人ぞ知るスポットだったことが窺える。
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