下田富士屋ホテル。国道135号沿いにある老舗の有名廃墟のひとつである。
1966年(昭和41)に発行された週刊現代で『伊豆下田の下田富士屋ホテルでは、創業何周年とやらで飲み放題のプランを用意している』と紹介されていることから創業は1966年(昭和41)以前だとわかる。ただ創業時は別のところで営業していて移転された可能性も否定は出来ない。
また1971年(昭和46)1月1日発行の『温泉 1月号』に下田富士屋ホテルの名前が見える。1969年(昭和44)5月4日に撮影された航空写真を見ると不明瞭ではあるが、それらしき建物が確認出来ることから、少なくともこの頃には当地で運営されていたのだろう。
2023年(令和5)1月23日発刊の静岡新聞には『消防本部によると1997年(平成9)に廃業したとされる』と書かれている。2021年(令和3)5月23日発刊の伊豆新聞では『廃業から約30年経過して建物は朽ち果て』とある。また2001年(平成13)4月23日に『廃業する旅館、ホテル』という2chのスレッドのなかで下田富士屋ホテルの名前を発見した。
内部の様子は勇気ある侵入者たちがネット上に残しているので、興味のある方は画像検索をしてみたらいい。当時のパンフレットを記載しているサイトも存在する。
下田富士屋ホテルには心霊の噂がある。
とある部屋に『女性の霊が出る』とか『呪われた日本人形がある』とか云われているようだ。
噂の根拠となりそうな事件や事故が発生した確証は今のところ見つかっていない。
しょうもない噂が立ってしまうのは廃墟の宿命なのかもしれない。
廃墟系心霊スポットはこんな感じで根拠のない場合が殆どなんだよね…。
呪われているか知らないけど日本人形は実際に置いてあるらしいよ。
終わりに
2023年(令和5)1月22日の午前4時頃、下田富士屋ホテルから出火。建物は半焼してしまったが、けが人は出ていない。
テレビニュースや新聞、SNSで『ホテルが火事になった。ここは心霊スポットとして知られる場所だった。』と情報が拡散されている。この頃は『心霊スポットの噂があるから問題が起きた』と報道される傾向にある気がする。
このようなサイトを運営しているので、事件を知って若干の後ろめたさを感じたけれども、メディアもSNS発信者も『心霊スポット』という単語を出した時点で同じ穴の狢だと思う。と少々開き直ってみる。ちなみに私は心霊スポットの存在に対して否定的な立場にいるつもりである。
コメント
下田に住んでいますが、本当に心霊スポットとして、色々なところで取り上げられるまで、そんな噂聞いたこともなかったんです
誰が言い始めたのでしょうと思うのです
急Qさん
コメントありがとうございます。
廃墟として有名になった物件はオカルト界隈の餌食になりやすいと思います。
特に到達難度の低い物件は狙われます。
噂の根源は地元の若者だったり、オカルトブームで賑わったTVや情報誌だったりしますね。
中には大昔から曰くが語り継がれているスポットもありますが。