長野県塩尻市洗馬地区にあった沓沢湖。
2012年(平成24)の調査で堤防の耐震性が極めて低いことが判明したため、翌年から放流が始まり貯水が止められた。震度5程度の地震で決壊してしまう可能性があったいうから恐ろしい。
6年後の2018年(平成30)に塩尻市から沓沢湖を埋め立てる方針が明らかにされ、トンネルの掘削工事の残土などが運ばれた。2024年(令和6)現在、埋め立て工事が進行中とのこと。
沓沢湖は1953年(昭和28)に落成したダム湖である。もともとは小さな池だったらしく信濃毎日新聞社発行の書籍では沓沢池と紹介されている。
地元の方々はダムの建設に激しく反対したそうだ。理由は土地の減少と水源が奪われるからであった。反対住民と自治体がどのように話をまとめたかわからないが建築は進められていった。落成後にも干ばつやダム湖の漏水が起こり、しばらくのあいだ揉めたようである。
面積は約96,000㎡、最大深度は22m程、貯水量は最大で900,000t余、上水道と灌漑用に1日9000t程の用水を供給していた。
沓沢湖に流れる心霊のうわさ
沓沢湖には心霊スポットの噂が流れている。
1.自殺が多発した
2.湖に沈んだ死体があがらない
3.水紛争で死者が出た
幾つかの心霊サイトを確認してみたところ、このように紹介されていた。
1.自殺が多発した
心霊スポットの根拠として自殺の多発がよく挙げられるけれど、多発していたら間違いなくマスメディアが記録を残しているから多発はありえない。
自殺が1件であっても噂が立つ可能性はあるので、もしかしたらそういうことなのかもしれない。
2.湖に沈んだ死体があがらない
耐震の問題で水は完全に抜かれたが死体があがったというニュースはない。掻い掘りをしていないならば、泥の奥底に骨が埋もれていても不思議ではないか……。
ところで『湖に沈んだ死体があがらない』とは誰目線の言い分なのだろうか。人が沈んでいくのを見た人か、死体を沈めた人しかわからないはずである。
3.水紛争で死者が出た
実際に水紛争はあったようだが、死者が出ていたらもっと大きな事件になっていたと思う。
これは流石に無理がある。
終わりに
沓沢湖はもう存在しない。
数十年たてば心霊の噂も消え去るだろう。
いや、待てよ。もしかすると、すぐ近くの観音路隧道に噂が集約するだけかもしれない。
『昔、近くにあった湖で自殺した霊がトンネル内で云々』みたいな感じに。
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