河内ダムは1970年(昭和45)に竣工された筑後川水系大木川のダムである。
1953年(昭和28)に発生した大洪水(通称28水)で大木川が決壊し、下流域に甚大な被害を与えたため、ダムの建造計画が練られることになった。
現在、ダム湖畔には遊歩道や河川プールがあり自然を利用した遊び場が充実している。また宿泊施設『とりごえ温泉栖の宿』の経営が開始され観光客を受け入れる態勢がしっかりと為されている。
さて、本題!
どういうわけか河内ダムには心霊スポットの噂がある。
根拠はあるのか?その辺りを見ていこう。
河内ダムの場所
最寄りの高速出口は鳥栖IC。
どの方面から向かうかによってアクセス方法が違うので細かい説明は割愛。
鳥栖ICからスムーズに走れたとすると15分程で河内ダムに到着する。
鳥栖駅前からとりごえ温泉行の西鉄バスが出ているので、自動車が無くても行ける。
何故、河内ダムが心霊スポットなのか?
心霊スポットの噂があるダムでよくあるパターン。それは集落の水没。
住宅、寺社、お墓などがそのままダム湖の底に沈んでいるため、何らかの祟りで事故や事件が起こりやすいという話。
国土地理院の空中写真より引用
左は1963年(昭和38)10月24日。右は1987年(昭和62)9月27日の空中写真。
ダムが建設されるまでは、大木川沿いに田んぼが広がっていたように見える。小規模な棚田だろうか。建物は殆どない。
住んでいた人は居たかもしれないが、点々としていて集落という感じではなさそう。
2016年(平成28)の佐賀新聞によると『ここには鳴瀬の滝という景勝地があり、明治時代にはその下流に12軒の水車小屋が並んでいた。』とある。
牧歌的な風景が広がっていたことが想像できますね!
水没が関係ないのだとしたら、後は事件や事故関連だろうか?
昭和後期の資料は残念ながら探し出せなかったが、なんと1998年(平成10)にここで殺人事件が発生していことが判明した。
20代の男性が河内ダムえん堤下駐車場で暴行され、放水路に投げ込まれ死亡したという事件。
友人4人で酒を飲んだ後、自動車でダムへ向かい、そこで喧嘩となり殺人に発展してしまったようだ。
これ以上の詳細は不明。
心霊スポットを扱う幾つかのサイトを拝見すると、河内ダムの駐車場でかつて焼身自殺があったという話が書かれていた。
年月日が記されていれば多少の信憑性もあるのだが、噂の域を出ていない。
焼身自殺というインパクトのある事件なら具体的な情報が出てきてもよい気がする。
終わりに
事件や事故、自殺などは日々そこら中で起きていることで、たった一件で(と言ったら不謹慎かもしれないが)心霊スポットにしてしまうのは理解に苦しむ。
『そこに霊がいるから心霊スポットだ!』と言われてしまえばそれまでだが、私は霊が見えないし存否には全く関心が無く、その根拠が知りたいだけなのである。
根拠があってこそ心霊スポットが成り立つと考えたいのだ。
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