富士五湖のひとつ、河口湖。
五湖の内で最も開発されている観光スポットである。
写真の通り長閑で風光明媚な河口湖だが、大きな湖の宿命と言ってもいいかもしれない、これまでに多くの事故や事件が発生している。
そのためか一部の物好きが『河口湖には幽霊が出る』などと騒ぎ立て、所謂心霊スポットとして知られるようになってしまった。
ざっくりと過去の新聞を調べただけでも平成年間に数十件、昭和期の古い新聞にも幾つかの死亡事故や事件の記事を見つけることが出来た。内訳は事故が大半を占め、たまに自殺がある感じだ。
見つけた記事の中で取り分け目立っていたのは1949年(昭和24)に発生した遊覧船の転覆事故である。
1949年(昭和24)8月5日。
この日は河口湖で祭が開催されていた。午後2時頃、河口湖小曲公園付近の湖上で遊覧船が転覆し44名が水中に放り出された。まもなく救助に取り掛かったが16名は水死したと判断され遺体の捜索が進められた。
船の定員は20名だったらしく事故の原因は定員超過ではないかと〆られていた。
終わりに
事故や事件の他に心霊スポットの噂の背景になりそうなことがないか調べてみた。
平安時代末期に富士北麓で波志田山合戦が起きている。
石橋山合戦で敗退した源頼朝を救援する目的の甲斐源氏(安田義定)と不穏な甲斐国に向けて進軍する平氏(俣野景久)の争いで、甲斐源氏の勝利に終わった。安田義定については腹切地蔵尊別の記事で取り上げているので、興味のある方は↓を御覧いただきたい。
波志田山合戦が起きた富士北麓の具体的な位置は判明していないが『河口湖と西湖の近くにある山がそうなのではないか』という説があるようだ。少々、無理矢理な気がしないでもないが、古戦場は心霊スポットとして見られがちなので、取り上げてみた。
大きな湖はしばしば水神信仰の対象となるため『湖を大切にしない人間は天罰が下る』みたいな伝承から幽霊の噂に転ずる可能性もあるか。これに関してはまだ深堀りしていないからもう少し調べてみて何かわかったら追記しようかと思う。
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