飯田大火を乗り切った、りんご並木沿いの三連蔵へ

三連蔵

長野県飯田市のりんご並木沿いにある三連蔵。

蔵の柱に説明板が掲げてあったので引用しよう。

この蔵は井村英治氏から飯田市へ寄贈されたもので、二階窓の板には天保十一年(一八四〇年)に建立されたと記されている。

総二階の切り妻平入り形式の蔵が三棟連なっており、これは火災の被害を分散させるためのもので町屋の大店の蔵にみられる。

機能重視の質素で質実なつくりは現存する蔵としては珍しいものである。

二〇〇〇年八月 人も自然も美しく、輝くまち 環境文化都市 飯田市より

飯田市は1947年(昭和22)に発生した大火事(飯田大火)によって市街地の大部分が燃えてしまった。被害は甚大で3,000戸以上の家屋、および重要な美術品・文化財が焼失している。罹災者は15,000名程、そのうち死者・行方不明者は3名であった。

このとき市内にある歴史的な建造物もほとんど灰燼に帰してしまったが、三連蔵は残った。まさに『これは火災の被害を分散させるためのもので町屋の大店の蔵にみられる』の生き証人である。三連蔵は飯田市の歴史を伝える貴重な建物であるのにもかかわらず史跡や文化財には指定されていないようだ。なにか事情があるのだろうか?

さて、本題。

三連蔵には心霊スポットの噂がある。ネットで調べると『二の蔵の壁に顔が浮き上がる』などと紹介されている。どうやら飯田大火が噂の根拠になっているらしい。大火を逃れた奇跡の権化に、なぜ心霊スポットの噂が?

死者・行方不明者3名のうちの誰かが、この蔵で亡くなったということだろうか???

具体的な情報は皆無である。このような状態で、三連蔵を心霊スポットというのはちょっと無理がある気がするが、そう思うのは私だけであろうか。

いちのまる
いちのまる

幽霊が見えるという人たちにとっては噂の根拠なんて大した問題じゃないのかもしれませんね。

(自称)見えるという人が『ここにいる』といえば、たったそれだけの理由で心霊スポットになり得るのですから。

でも見えない私からすると全く納得できないのよね。

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