群馬県みどり市の藤瀧不動尊にはちょっと不思議なものが奉納されています。

初めて訪れたときは驚きました!
何も知らずにこれを見たらちょっと怖く感じるかもしれません。
薄暗い雰囲気も相まって……。
藤瀧不動尊はややわかりづらい場所にありますので、まずはアクセス情報を紹介します。
藤瀧不動尊へのアクセス
地図で調べてもなかなかたどり着けませんでした。
地図上では国道122号の道沿いにあるように見えるのですが、国道122号からは直接行けません。
まずは国道122号から花輪地区に降りてください。花輪駅の裏側の道に不動尊に続く参道が延びています。googlemapを貼付しますので、行ってみたい方はご確認を。
藤瀧不動尊へ
藤瀧不動尊の本堂。
右に見える階段を上ると滝と不動明王像があります。
藤瀧不動尊の歴史について紹介している書籍がありましたので、引用します。
いづれにせよ那須の殺生石に關係の深い玄翁和尚の作であるといふこの藤瀧不動尊の本尊に就いて東村郷土誌には次の如く記されている。
『後奈良天皇の天文年間花輪山光明寺の本尊として信仰せるところ、山田郡福岡村大字長尾根金子藤左衞門厚く信仰し寛永三年藤瀧の側に立像の不動を建てゝ奥の院として同年中本堂を改築し引続き光明寺の經營により文化文政頃より信者の數を増したが明治維新に至つて寂れてしまつた。昭和初年頃から里人の努力によつて大へん賑ふやうになつた毎年春秋の大祭節分儺式を行ふ』
1943年(昭和18)発行 今泉博士伝記刊行会 工学博士今泉嘉一郎伝より
『寛永三年』は1626年ですので、歴史のあるお不動様だとわかります。明治時代に廃れ、昭和初期に復興されたとのこと。
人口減少によりかつての賑やかさはなくなってしまったでしょうが、しっかりと手入れがされているので、地元の方々が伝統を引き継ぎ大切に守っているのでしょう。
こんな感じで道が続いていきます。
左奥に滝が見えますね。さらに進んでいきましょう!

ん?階段右側の手すりに何か掛かっていますね……。
人型奉納?!

うげっ!?なんだこりゃ?
ヒトガタ、足、腕がたくさん吊るされている。
この不動に祈願するには、手足ほかに痛みのある人は、その痛むところの形を、ブリキ屋に頼んで作ってもらって、菓子・酒・果物などと共に供える。
1998年(平成10)発行 勢多郡東村誌編纂室/編 勢多郡東村誌 通史編より
ヒトガタの由来が気になったので、自治体に連絡して調べていただきました。1998年(平成10)発行の『勢多郡東村誌 通史編』にという記述があるとのことです。
お忙しい中、貴重な情報をいただき、心より御礼申し上げます!
始まった時期や動機はまだ不明なので、調査を続けようかと思います。書籍だと限界があるので、現地の方々に取材してまわるのが一番なんだろうな。
滝と不動明王像。
ヒトガタの他に剣が奉納されていました。
これは不動明王が右手に持つ倶利伽羅剣でしょう。
倶利伽羅剣で不動明王は私たちの煩悩を断ち切ってくださいます。
終わりに
群馬県民にもあまり知られていない珍スポット・藤瀧不動尊。
一度は行ってみる価値があると思います。
おしまい!
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