榛名富士と榛名湖。清々しい程に開放的な山である。
赤城山、妙義山、そして榛名山。これらを総称して上毛三山と呼ぶ。
それぞれに特徴があり、どれも素晴らしい山だが、なかでも榛名山は牧歌的でゆったりとした雰囲気の流れる憩いの山だと私は思っている。
さて、本題。
当ブログは心霊スポット考察サイトである。どうやら、榛名湖に心霊スポットの噂があるようだ。
噂の根拠も発見出来たので紹介しよう。
大久保清事件の死体遺棄現場
大久保清は群馬県出身の連続殺人犯である。
1971年(昭和46)の間に8人もの女性を殺害し死体を遺棄した。
白いロータリークーペを乗り回し画家、教師、セールスマンになりすまし言葉巧みに女性を誘った。本人曰く『若い娘に声を掛ければ、10人中6人は引っかかる。』とのこと。大久保は前科者で殺人を犯す以前から強姦目的で数人の女性を襲っていたようだ。
1973年(昭和48)に死刑判決を受け、1976年(昭和51)に刑が執行されている。
8人の内の一人が榛名湖の湖畔(榛名富士の東側)で発見された。
この事件は当時の日本社会に大きなショックを与え、人々の記憶に長く留まった。大久保清事件が榛名湖に暗いイメージを植え付けたのは間違いない。これだけでも心霊スポットの根拠として十分過ぎる程であるが、数年後更なる大事件が発生した。
連合赤軍のアジト・榛名ベース
連合赤軍は1970年代前半に活動した日本の極左テロ組織である。彼らの残党が人質を取り立て籠もった『あさま山荘事件』は余りに有名だ。
あさま山荘落城後、逮捕された犯人たちを取り調べると驚愕の事実が発覚した。連合赤軍は総括という名のリンチ殺人を行っていたというのである。
総括の意味は『活動後の反省』と言ったところだろうか。(彼らの言葉は難しすぎる)
言葉自体に悪い意味は無い。
彼らは『○○(人名)を総括する。』と言った。彼らの総括は対話や議論なんて生易しいものでは無かった。標的になった人物は食事を絶たれ、殴られ、縛られ、極寒のなか放置され、やがて死亡する。
連合赤軍の幹部たちは『生活の乱れ、主義の相違、反抗、単に気に入らないから』といった理由で総括の対象を選び拷問、処刑を行ったと云う。
『精神が敗北したから肉体が死亡した。』
『革命戦士になろうとすれば死ぬはずがない。』
死者に責任転嫁する始末である。総括によって計12名が死亡した。
迦葉ベース、妙義ベース、榛名ベースの3つのアジトで総括が行われたことから、この事件を『山岳ベース事件』と呼ぶ。榛名ベースでは8名の犠牲者が出た。
連合赤軍についての書籍は多数発行されている。内部の人間が書き残した本もあるので、詳細を知りたい方は是非読んでみて欲しい。
終わりに
過去の新聞を調べると榛名湖周辺では、上記事件の他に数は少ないが水難・交通事故や自殺も発生していることが分かった。
やはり、大久保清や連合赤軍の情報をリアルタイムで見ていた世代は榛名山に暗いイメージを持っているのだろうか?
私はこの記事を書くまで榛名山に負の歴史があることを知らなかった。
これだけの条件が揃っていれば幽霊の噂があってもおかしくないかも…。
幽霊を信じてなくても、事件の顛末を知ったら誰でもゾッとするよね…。
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