かつて埼玉県飯能市の山奥にあった白岩集落。
1950年(昭和25)頃には23軒の住宅が秩父の浦山地区に抜ける鳥首峠への道に連なっていた。
住民の生業は林業が主で、特に炭焼きが盛んだったと云う。
過疎化により1985年(昭和60)以降に無人となった。
白岩集落跡の風景
廃村になってから35年経った白岩集落を散策してきたので紹介しよう。
心霊スポットとして紹介されることもあるが、物悲しさはあるものの、不気味な感じは一切無かった。
廃墟としての価値の高い場所だと、私は思う。
情報は殆ど残っていないので、今回は白岩集落跡の風景をメインにお届けする。
以前、紹介した秩父市の浦山地区の嶽集落よりも残留物が多い。
白岩は浦山と同様に落人伝説の残る地でもある。
ストーブだろうか?
古い冷蔵庫もあった。
これは何だろうか?コンロに見えなくもないが。
手押し車?椅子が付いているから車椅子かも。(ではないとのこと)
クルマのおもちゃが落ちていた。
二人乗りブランコ。
これで遊んでいた少年はもう立派な大人になっているのだろう。
完全に潰れてしまった廃屋…。
白岩の由来は石灰岩が多い土地だからと現地の説明板にあった。
昭和の初めから石灰の採掘が開始されたようだ。
集落を見下ろす位置に山の神様が祀られている。
土砂崩れにあったのか屋根だけの社を見つけた。
こちらも屋根だけ。
しっかりと整備された社もあった。
地元の方々が訪れ管理しているのだろう。
白岩でも秋には六ヶ所の山の神様に甘酒を造って奉納する『甘酒祭り』が行われていました。
現地案内板より
土砂に飲み込まれた廃屋。
内部の様子。
奥が寝室だったのかな?
廃屋から少し離れた場所に石碑が…。摩耗していて殆ど読めない。
『春』と『童』の字が微かに見えるか?
子供のお墓?
終わりに
かなり山奥まで歩いて入らないと辿り着けないため廃墟の状態は悪くなかった。
しかしながら今にも朽ち果てそうな、頽廃的な美しさは長く続かない。
地方の過疎化は急速に進んでいる。新しい廃村が生まれ続けるのだろう。
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