円良田湖を探検!幽霊が出没する噂があるらしいけど、散策しているとその理由も分かる気がする…。

円良田湖

円良田湖。これで”つぶらたこ”と読む。

1942年(昭和17)に工事が開始され、13年後の1955(昭和30)に完成した農業灌水用のダムである。

当地は荒川北岸に位置しているのだが、農業用水の確保が困難で、しばしば水不足による不作に悩まされてきた。

そのため集落の有志が掛け合いダム建設計画が持ち上がったと云う。

 

円良田湖の歴史

円良田湖

それほど大規模なダムでは無いのにもかかわらず、着工から竣工まで13年もの月日を経ている理由は、長い用水路の施工と隧道の掘削、そして時期的に太平洋戦争の影響もあるだろう。

膨大な時間と労働力、そして大金を費やしたものの、ダムの恩恵は計り知れず、それまで渇水に悩まされてきた農民たちの生活に潤いと安定を与えた。

ところで、ハッキリとしたことは不明であるが、幾つかの世帯は水没区域に入ったため立ち退きを余儀なくされているそうだ。

 

着工後と竣工後の比較

円良田湖

国土地理院/空中写真を切取、加工して引用(左1947年、右1960年)

左が1947年(昭和22)11月3日、右が1960年(昭和35)11月7日の現地の空中写真。

1947年時点でダムの工事は始まっているため開発以前の様子は分からないけれども、田畑の区画と建物が残っているように見える。

また、1960年の方はダム完成後の写真であるが、減水していて湖底に田畑の痕跡が見受けられる。

いちのまる
いちのまる

ちょっと自信ないけど、この整った区画はたぶん田畑だと思います。
もしかしたら、ダム工事の経過で造られた何らかの区画跡なのかとも考えたけど、こんな感じにはならないよね?

円良田湖と廃墟、心霊の噂

円良田湖

湖岸には散歩を楽しむ老夫婦や子連れの夫婦、また通年ヘラブナが釣れるらしくたくさんの釣り人たちが糸を垂らしていた。

曰く付きの噂が流れるような場所であるから、もっと陰鬱で嫌な空気が流れているのかと想像していたけれども、思い描いていた光景とは異なっていて、若干拍子抜けした…。

と当初はそう思ったのだが。

 

円良田湖

湖の外周、鬱蒼と茂る森の中をよくよく観察してみると、幾つかの廃墟が点在しているではないか。

隈なく探索したわけではないので、幾程の廃墟があるのか分からないが、私がざっくりと見回しただけで4~5件はあったかと思う。

いちのまる
いちのまる

何の廃墟かしら?住居跡には見えないけれど。

円良田湖

いちのまる
いちのまる

こっちは住宅っぽいね!

確かに円良田湖は山々に囲まれているが、実は山奥にあるという訳ではない。

 

南に1.5km方角に寄居の街、北に3~4km行けば用土に辿り着く。

そもそも人口の少ない地域だったとは思うけれど、特段生活の便が悪いとも思えない。

 

円良田湖

ダム湖の観光地化を目指して民宿や飲食店が建てられた、特に冬場はワカサギ釣りで賑わうそうだから彼らの為に宿を設けたのかもしれない。

景気の良い時代はそれなりに繁栄していたのだろうが、傾き始めると最も早く影響を受けるのはこういう場所なのだろう。

点在する廃墟の不気味さが心霊スポットと結びついているのは言うまでも無い。

 

円良田湖

心霊スポットの根拠と成りそうな事件や事故が発生していないか調べてみた。

やや古い事件であるが、1990年(平成2)に円良田湖の湖底から乗用車が引き上げられ、中から大人1人、子供2人の遺体の一部が発見されている。

遺体は1981年(昭和56)から行方知らずになっていた親子で、新聞記事には詳らかにされていなかったが、字面を読む限り心中の可能性が高い。

 

円良田湖

2004年(平成16)、死後1年以上が経過しているとみられる男女の白骨化した遺体が、湖から西に200m離れた山林で発見された。

木に掛けられたロープが遺体の付近にあったことから、恐らくは自殺だと思われる。

円良田湖にいつから心霊の噂が囁かれているか知る由も無いけれど、これらの事件が幾許かの影響を与えている可能性は十分にあり得る。

 

終わりに

円良田湖

埼玉県の小さなダム湖に”開かずのトイレ”があり、そこに幽霊が出没するという情報を得ていたのだが、余り下調べせずに心霊スポットへ赴く私は、ここが噂のトイレだと思い込み一所懸命に激写した。

周囲をぐるりと観察。

『ここが例の”開かずのトイレ”なのか?』とドアに手を掛けてみる。

いちのまる
いちのまる

開くではありませんか…。

誤情報を掴まされたと苛立ちながら、暫くその場に立ち尽くしてしまった。

後日、某心霊スポット配信者のライブ動画を拝見していると”開かずトイレ”に向かうという話になったので、ふと円良田湖へ訪問した時のことを思い出し『あそこ、開くのにな。』と何とも複雑な心境になりつつ閲覧を続けたのだが、どうやら風景が違う。

やがて配信者が目的地に到着すると見たことの無い”開かずのトイレ”が確かに存在していた。

動画を観ずに当記事を発信していたらと思うと、忽ち羞恥心に襲われパソコンの前で人知れず項垂れた。

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