西新井駅近くの地下道に老婆の幽霊が出るって噂があるようだけど…。いろいろと調べてみたら。

西新井の地下道

東京都足立区の西新井駅から北西300m程の距離に曰く付きの地下道が存在する。

正式な名前は与えられておらず”西新井の地下道”或いは西新井トンネル”などと呼ばれている。

幾つかの心霊スポットのサイトを拝見すると『深夜に老婆の霊が出没する』や『かつて大きな踏切があって凄惨な事故が発生した』などといった情報が書かれていた。

実際はどうなのだろうか?ちょっと調べてみよう。

 

西新井の地下道の場所

西新井の地下道

場所は冒頭で説明した通り。

東武伊勢崎線と東部大師線の分岐点の下にある。

訪問するのは勝手だが、周辺は住宅地なので騒がないように。

歩行者、自動車の交通量共に多いため事故に注意すべし。

 

 

ここで何が起こった?

西新井の地下道

この地下道で何かが起きたという訳ではなさそうだ。

過去に踏切があったというが本当なのだろうか?

昭和期の空中写真を見つけたので見ていこう!

 

西新井駅周辺の今昔

西新井駅の地下道

出典:国土地理院/空中写真を切取・編集引用(2019/08/08(令1)撮影)

現在の現場の様子。

どんどん過去へ遡っていこう。

 

西新井駅の地下道

出典:国土地理院/空中写真を切取・編集引用(1979/09/09(昭54)撮影)

1979年(昭和54)。

周りの風景は時代相応に変わっていったようだが、線路はそのまま。

踏切は存在しない。

 

西新井駅の地下道

出典:国土地理院/空中写真を切取・編集引用(1956/03/13(昭31)撮影)

1956年(昭和31)。

いちのまる
いちのまる

線路上に道があるように見えるけど…。

不明瞭ではあるが、踏切があるように見える。

 

西新井駅の地下道

出典:国土地理院/空中写真を切取・編集引用(1947/07/24(昭22)撮影)

1947年(昭和22)。

いちのまる
いちのまる

線路上の道が鮮明に見えるね!

戦後まもなくであるから踏切係員が遮断機を手動開閉していた時代であろう。

西新井の地下道は1956年(昭31)から1979年(昭54)の間に開通したと思われる。

時期的に東京オリンピックに関連する都市計画の一環だったのかもしれない。

 

西新井駅周辺の事故

西新井の地下道

過去に存在した踏切で事故が発生しそれが原因となって幽霊が出ると噂されているらしい。

様々なサイトでそのように紹介されているが、事故の詳細は誰も提示出来ていない。

西新井駅周辺で発生した事故について調査した古い順に紹介する。

もしかすると、この中に噂の根拠となった事故があるのかもしれない。

 

1904年(明治37)2月15日読売新聞朝刊

東武鉄道下り列車が西新井村停車場から北に300mのところを進行中、20代前半の男性が機関車に触れ無残に轢死した。

西新井村停車場が西新井駅ならば地下道の位置と一致する。

西新井村停車場について何か御存知の方がいらっしゃればご一報いただきたい。

 

1965年(昭和40)8月21日読売新聞朝刊

千住弥生町の開かずの踏切でバイク2台が列車に激突し2名が亡くなった。
踏切警手が誤って遮断機を上げてしまったため発生した事故である。

西新井の地下道から少し離れた場所で起こった事件であるけれど、当時はこのような事故がそれなりにあったらしいので、参考までに。

もしかすると、西新井の踏切でも同様の事故が起きた可能性も…。

 

1966年(昭和41)5月23日読売新聞夕刊

東武伊勢崎線竹ノ塚駅~西新井駅間の警報機付き無人踏切で少女が快速列車にはねられ即死した。
事故当時、横殴りの雨が降っていて傘で隠れて電車の進行に気づかなかったらしい。

竹ノ塚駅と西新井駅の間隔は2km程あるので、どこの踏切かは分からない。

無人の踏切とあるので、小さな踏切だったのかもしれない。

地下道上にあった踏切は大きな踏切だったと思われるので、この現場ではなさそうだ。

 

1966年(昭和41)12月16日読売新聞夕刊

東武大師線と日比谷線直通の列車が西新井駅構内で衝突し7名が死亡、重傷4名、軽傷16名を出す大惨事となった。
調査によりレールの内側が摩耗していたり、つなぎ目のボルトが数本抜けていたなどの事実が発覚した。

西新井駅で起きた大事故。

地下道が出来た時期と重なるようなら列車衝突事故が心霊の噂の根拠になっていても不思議ではない。

余談だが、東京には列車の大事故に纏わる心霊スポットが数ヶ所ある。

 

1972年(昭和47)5月1日読売新聞朝刊

西新井駅三番ホームで浅草発の列車に母子が飛込み自殺を図った。
奇跡的に母子共に助かっている。
母親がノイローゼ気味だったと云う。

命は失っていないので心霊と結びつけるのは無理があるかもしれないが、母子という部分が気になったので記載した。

こういう話を元に噂が広がっていく可能性も考えられる。

 

2005年(平成17)

竹ノ塚駅~西新井駅間の踏切で2名の方が帰らぬ人となった。
開かずの踏切として有名なところで踏切警手が現存する全国的に見ても珍しい場所であった。

地下道からやや離れた位置にあるが、著名な事故なので紹介した。

 

2015年(平成27)、2019年(令和1)

西新井駅構内で男性が列車と接触し、それぞれ1名ずつ亡くなっている。

自殺と事故。

 

終わりに

西新井の地下道

いちのまる
いちのまる

西新井駅周辺、ちょっと事故が多いね…。駅ってこんなもん?

心霊の根拠を明らかにすることは叶わなかったが、これだけ事故が起きているとなると良からぬ噂が流れてしまうのも理解出来なくはない。

幽霊の仕業と言ってしまえば気楽ではあるけれども、そんなことはなく様々な要因が重なり合って事故が発生しやすい環境になってしまったように感じられた。

線路が高架線になれば踏切事故は起こらないし、駅にホームドアが設置されれば不慮の転落や自殺は激変するだろう。

数十年後にはそうなっているような気がする。

コメント

  1. 匿名 より:

    毎日通るけど何一つ起こりませんよ

    • いちのまる より:

      匿名 さま

      コメントありがとうございます!

      私は霊も見えないし感じもしないので何とも言えません。

      何百と心霊スポットに訪問しましたが、一度も何か起こったことはありません!

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