埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人が運営していたアフリカケンネルへ

アフリカケンネル

アフリカケンネルは埼玉愛犬家連続殺人事件の犯人が運営していたペット繁殖・販売会社の廃墟である。過去の新聞を読む限り、ここで殺人が行われたかどうかは判然としないが、事件に関連する不気味な場所に変わりはないので、しばしば心霊スポットとして語られる。

主犯は関根元と風間博子、他に死体遺棄の共犯容疑で逮捕された男性が1名いる。

殺人は1993年(平成5)4月から8月にかけて行われた。被害者は4名で、殺害方法は犬を殺処分するために使われていた硝酸ストリキニーネによる毒殺だった。

遺体は群馬県片品村にあった共犯者の自宅に運ばれ、風呂場で肉や臓物を数センチ角に細かく切り分け、骨や遺品はドラム缶で炭になるまで燃やし尽くし、それらを山の中でばら撒いた。

関根はこの作業を『ボディを透明にする』と言い、喜々として遺体の解体を行っていたそうだ。この徹底した証拠隠滅のために警察の捜査はかなり難航したと云う。

事件が明るみに出たのは同時期に発生した大阪愛犬家連続殺人事件であった。この事件を切っ掛けにマスコミが『埼玉県の愛犬家界隈でも似たような失踪事件が起きている』という情報を嗅ぎ付け、アフリカケンネルに疑いがかかった。

関根は身の潔白を訴えたが、別件で逮捕されていた関根の知人の供述から事が動き始める。その後、共犯者も自供を始め、その証言を基に捜査が開始された。懸命な捜査により群馬県の山中で遺骨や遺留品などが見つかり、関根らの逮捕に至った。

事件の動機は金欲しさだった。『詐欺が露見しそうになったとき、殺人を理由に強請られたとき、これ以上金銭を絞り取れないと分かったとき』に凶行に及んだ。

これ以前にも関根の周囲から突如として行方不明になる人達がいたらしい。余罪の捜査も行われたが、時間が経ち過ぎていたために証拠は見つからず未解決事件となってしまった。

主犯の関根と風間には死刑判決、共犯者には懲役3年の実刑判決が下された。

関根は2017年(平成29)に東京拘置所内で病死、風間は死刑囚として東京拘置所に収容されている。

いちのまる
いちのまる

この事件をモチーフにした映画『冷たい熱帯魚』が2010年(平成22)に公開されています。実際の事件が猟奇的なだけあってエログロ描写の激しい作品です。恐ろしい作品なはずなのにコメディタッチな部分もあってなんだか不思議な気分になりました。いろんな意味で人を選ぶ作品なので、免疫のある方のみ↓を御覧下さい。

 

終わりに

共犯者が著した『愛犬家連続殺人』が角川文庫から出版されている。

プレミアム価格が付いてしまって手が出せずにいるのだけれど、事件の背景や具体的な描写が書き綴られているとの事なので、(お金の)決心が付いたら購入して読んでみようかと思っている。

この事件に興味のある方は、獄中で冤罪を訴え続ける風間博子を取材した『絶望の牢獄から無実を叫ぶ』も読むといいだろう。

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