長野県上水内郡信濃町、新潟との県境の際に位置する全国的に有名な廃墟系心霊スポット・セリーヌ。
駐車スペースからそのまま入室出来るタイプのホテル、むかし流行ったモーテルというやつだ。
外観は豆腐建築(ゲーム用語?)を思い起こさせる極めて簡易な造りである。
セリーヌの名が全国に轟く決め手となったのは、内部壁面に描かれた幾つもの妊婦の絵とそれに付随する奇妙な文言の存在だろう。
インターネットで調べる限り、妊婦の絵は最大16点あったそうだが、荒らしによってその数は減少していると云う。そもそも妊婦の絵も荒らしの仕業ではあるが、セリーヌを象徴する絵であるから無くなってしまうことを残念がる方もいるとかいないとか……。
私は廃墟に入らない主義を貫いているので、内部の様子は確認出来なかったけれど、侵入者たちがネット上に画像を残しているから、気になる方は『セリーヌ 廃墟』とでも検索してみるといい。また↓のサイトがセリーヌの謎について考察しているので興味のある方はどうぞ。
当物件の登記事項証明書を取得したので簡単に情報を載せて〆ようかと思う。
種類は『旅館・車庫』、構造は『鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建』
権利部(甲区)
1981年(昭和56)に新築。1983年(昭和58)に原因・売買で所有権が移転している。1998年(平成10)に破産。翌年権利放棄。破産登記が抹消される。2007年(平成19)に代物弁済がなされ所有権が移転した。
権利部(乙区)
1983年(昭和58)、保証協会が根抵当権者となる。1989年(平成1)の農業協同組合が根抵当権者となる。1998年(平成10)、農業協同組合の合併により根抵当権移転。2007年(平成19)、保証協会と農業協同組合の根抵当権が抹消した。
セリーヌは『反社会的勢力が所有しているから近寄らない方がいい』という情報を見かける。これに対して『農業協同組合に融資を受けていた所有者だからそれはない』と反駁する者がある。
現在の所有者は代物弁済した当日に保証協会と農業協同組合の根抵当権が解除されているので、現所有者と農業協同組合の関係は書類上からは判別がつかなかった。
恐らくセリーヌ稼働時に所有していた人物と代物弁済した人物は何かしらの繋がりがあると思われる。そうであるならば反駁者の論も成立するのだけれど、不確かな情報しかないので断定は出来ない。
具体的な日時や名称は避けて記載しました。もっと詳しい情報が知りたい方は登記簿をご自身で取って確認してね。
出典:国土地理院/空中写真を切取・編集引用(1976/11/03(昭51)撮影))
登記事項証明書によると新築は1981年(昭和56)と記載されているが、1976年(昭和51)の航空写真を確認するとセリーヌと同じ位置に建物が存在している。
形はセリーヌと酷似しているけれど、規模が少しだけ小さいように見える。
同地番の土地の登記簿も調べてみたが、年月日不詳地目変更で地目が山林から宅地に変わったという情報しか見つからなかった。
終わりに
物件内で殺人事件があったなど様々な噂が飛び交っているが、確証となる情報は一切存在しない。証拠がないから事件がなかったとは言い切れないが、ある程度具体的な情報がない限り信じるに値しないと考えている。
オカルト界隈にはそういう中途半端な情報があまりに多すぎるのだ。廃墟系心霊スポットはその傾向が特に強い。そして時間をかけて調査しても大概は徒労に終わる。だから好きになれない。
コメント