東京都葛飾区水元にある業平山南蔵院。
南蔵院は1348年(貞和4)に創建された由緒のある寺院です。
こちらの境内には『しばられ地蔵尊』と呼ばれる珍しいお地蔵様が安置されています。
当山は業平山東泉寺南蔵院と号し貞和四年(約六〇〇年前)林能法師の開創に成い、境内の地蔵堂には『しばられ地蔵尊』が安置されている、『しばられ地蔵尊』は昭和四年旧本所区中之郷(墨田区吾妻橋三丁目)から寺とともに移転してきた。
大岡政談の一つとしても有名である『しばられ地蔵尊』は昔より、盗難除け、足止め、厄除け、あらゆる願いごとを叶えるとして祈願するものが多く、祈願者は先ず地蔵尊を荒縄でしばり成就の暁には、これを解く風習となっている。
南蔵院 史跡 しばられ地蔵尊より
とのこと。
名奉行・大岡忠相としばられ地蔵の逸話は↓
徳川八代吉宗の享保年間(一七一六~一七三五)ある夏の昼下り、江戸日本橋小伝馬町の木綿問屋上総屋徳兵衛の手代佐助が、サラシの反物を満載した荷車を傍らに置き、南蔵院の門前で昼寝をしていると、いつの間にか車ぐるみ反物がなくなっていた。
驚いた佐助は、時の名奉行大岡越前守に訴えでた。越前は何を思ったか『寺の門前に立っていながら泥棒の仕業を黙って見すごすとは、地蔵も同罪である』として直ちに、門前の石地蔵を荒縄でくくり、奉行所に運ばせた。
物見高い市中の野次馬連中、どんなお裁きが始まるのかと奉行所へなだれ込んだところ、突然門が閉められたので一同ビックリ仰天。そこで越前は、みだりに官邸へ入った罪を責め、科料として日時を決め、各自にサラシ一反を納めるように申し渡した、数日後、各自の持ち込んだ種々の反物の中から盗まれた品物が発見され、これがキッカケとなって、当時江戸市中を荒らし回っていた大盜賊団の一味を捕らえることができた。
越前は地蔵尊の霊験に感動し、立派な堂舍を建立し、盛大な縄解きの供養を行った。
学生社 1977年(昭和52)11月発行 入本英太郎 著 葛飾区史跡散歩より

実際にあった話かはわかりませんが、興味深いですね~
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