小学生が『とある物』を掘り当てた?!150体の…。心霊スポット・八幡平の首塚の歴史について

戦国時代の群馬県は武田・上杉・後北条といった大大名に囲まれていたため頻繁に戦が起こった。

故に多くの古戦場跡が残っており、詳しく調べると武田信玄や上杉謙信など超有名武将の名前が出てきて歴史好きには堪らない。

今回、紹介する八幡平の首塚は西群馬の歴史に関する重要な史跡である。

この周辺は合戦の舞台となった。

ここは心霊スポットとして有名な場所である。

どのような歴史があるのか振り返ってみよう。

 

八幡平の首塚の歴史

八幡塚の首塚

1561年(永禄4)、上州の黄班の二つ名を持つ猛将・長野業正が亡くなると、武田信玄は本格的な上野侵攻を開始する。

信玄は手始めに西上野の国峰城(甘楽町小幡)を攻略し、そこを拠点に安中方面への侵攻を始める。

武田軍は松井田城と安中城を分断するため両城の間にある八幡平に陣を置いた。

 

八幡塚の首塚

安中城、松井田城を治めていた安中氏は抵抗したが、信玄率いる屈強な軍隊に押され止む無く降伏。

こうして安中一帯は武田氏の支配下に置かることになる。

西上野侵攻により戦死した両軍の兵士らを弔うためにこの供養塔が建てられたと云う。

合戦が起きれば人が死ぬのは当たり前であるし、同じような供養塔は各地に点在している。

では何故、心霊スポットとしてここまで有名になってしまったのか?

 

八幡塚の首塚

1931年(昭和6)3月。

お墓参りに連れてこられた小学生。

暇だったのか、お墓の近くで土遊びを始めたそうだ。

やがて、『とある物』を掘り当てた。

人間の頭蓋骨である。

親に『なにこれ~?』みたいな感じで見せたのだろうか?

これを切っ掛けに本格的な発掘調査が行われた。

結果、なんと!150つの人間の頭蓋骨が掘り出されたのである!

頭蓋骨は四肢が無く下顎が外されていることから、別のところから運び、弔ったのではないかと云われている。

骨には1783年(天明3)の浅間山大噴火によって降り注いだ火山灰が掛かっていたことから、まとめて埋葬されていた骨を江戸時代中期の民衆が発見し、ここに改葬した可能性もあるらしい。

骨は中世の日本人の特徴を示していて、刺創が見つかったことから戦死者ものだと推定されている。

恐らく、安中を巡る合戦で戦死した亡骸を里の人らが埋葬したのだろう。

 

終わりに

『絶対に行ってはいけない』と噂される心霊スポットだが、付近には住宅があって不気味な感じはなかった。

いちのまる
いちのまる

見つけた小学生はビックリしたでしょうね…。

それよりもそれを見せられた親御さんの方がビビったかな?

コメント

  1. 剣刀太子王 より:

    長野氏vs武田氏関連の心霊スポットとして挙げられるのが、高崎市鼻高町の福泉寺です
    高崎観光協会発行「高崎の散歩道第十一集」に次のような記事があります
    「中鼻高の福泉寺の東は内出と呼ばれています。
    内出とは中心城から派出された出城のことです。
    ここは永禄九年(1566)九月、武田信玄が箕輪城攻撃の最後の野戦、若田ヶ原の合戦のとき、甲州軍の本陣を置いた所といいます。
    また福泉寺の前の平は乱闘場といって、上杉武田両軍の合戦のあった所だといわれています。
    昭和の初め、ここを開墾していて四、五体の戦国時代の人骨が掘り出されました。
    その後も牛蒡を作っていて人骨が出たり、梨畑を掘って討ち死にしたらしい人骨が出たりしました。
    骨を掘りだした人は良くない事が続くなどといわれ、最近はさまよい歩く戦国の亡霊を見た、などとささやかれるようになりました。(略)
    再建なった福泉寺の周囲を戦国の亡霊がさまよう噂が広まって、テレビにも放映されました。
    (個人名)師は、乱闘場に四百年も冥ることの出来ない戦国の武士の霊を鎮めるため、五輪の供養塔を建てました。昭和五十六年五月のことです。
    以来亡魂の噂は聞かれなくなったといいます。」

    • いちのまる より:

      剣刀太子王さん

      こんにちは。

      全く知らない情報でした。ありがとうございます。

      群馬に帰省したら是非行ってみたいです!

      高崎の散歩道第十一集は図書館で読める書物ですかね。

      これも機会があれば読んでみたいところです。

      • 剣刀太子王 より:

        鼻高町の福泉寺供養塔の記事が載っていた本のタイトルが誤っていました。正しくは内山信次氏著「徐徐漂(ぶらり)たかさき」でした。
        もっとも、「高崎の散歩道第十一集」にも福泉寺の記事があり、住職が集めて供養している無縁の墓石や石塔、捨てられていた地蔵さまについて書かれていたりするため、そちらはそちらで興味深くありますが。

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