金峰山は心霊スポットじゃない!歴史を知れば神に守られた山だとわかります!

金峰山

金峰山(きんぼうざん)は熊本市の西に位置する標高665mの二重式火山である。

頂上には金山毘古と金山毘売、安閑天皇が鎮座する蔵王権現社(金峰山神社)が安置されている。

金峰山及び蔵王権現社について肥後国誌に記されていたので一部引用しよう。

 

金峰山について

金峰山

金峯山

郡中ノ鎭山也上古一朝地震シテ此山湧出ス故ニ朝出山(イ朝香山)ト稱ス後ニ飽田山ト云

(中略)

此所ニテ三ツノ嶽ト云ハ此金峯山ヲ一ノ嶽野出村ノ經ノ嶽ヲ二ノ嶽大多尾村聖徳寺山ヲ三ノ嶽ト云

肥後国誌 嶽村 金峰山より

この地域の山。昔ある朝、地震が起きてこの山が湧出した。そのため朝出山(或いは朝香山)と称し、後に飽田山と云った。
ここにて三つの岳を云うのはこの金峰山を一ノ岳、野出村の経ノ岳を二ノ岳、大多尾村の聖徳寺山を三ノ岳と云う。

 

金峰山権現について

金峰山

當社ハ 淳和帝天長九年和州金峯山大權現ヲ勸請ス和州金峯山ハ金剛藏王菩薩トモ云又少彦名命トモ云
或ハ安閑天皇トモ云ヘリ

後醍醐帝ノ元弘三年菊池肥後守武重再興神領六町六反寄附ス乃チ和州金峯山ニ象リ山ノ名ヲ定ムト云(一記ニ 淳和帝御宇天長九年一朝和州權現影向有シ故山上ニ一社ヲ祭リ山ヲ金峯山ト稱スト云ヘリ)

(中略)

一説ニ當山初飽田山ト號ス
天長九年壬子九月十五日和州吉野山ヨリ瑞雲靉靆金色ノ神體當山ニ
飛來リ光耀山中ニ照映ス此時金峯山ト改ム一社ヲ建ツ
而後元弘三年菊池武重再興之神宇拜殿御供屋二王門鳥居幷神領三町七反寄付
之且自ラ一刀三禮□神體ヲ彫刻ス是今ノ神體也

肥後国誌 嶽村 金峯山大權現社より

当社は淳和天皇が天長九年大和国(奈良)の金峰山権現を勧請した。
金峰山権現は金剛蔵王菩薩とも云う、または少彦名命とも、或いは安閑天皇とも云うこともある。
後醍醐天皇の元弘三年菊池武重が再興、神領六町六反を寄付する。そこで象り山の名前を定めた云う。(淳和天皇が世を納めていた天長九年のある朝、大和国の権現が姿を現したため山の上に一社を祀り山を金峰山と称したと云う説もある。)(中略)

一説に当山は初め飽田山と号した。
天長九年壬子9月15日、奈良の吉野山よりめでたい雲がたなびく中、金色の神体が当山に飛来し光輝き山中に照り映えた。この時、金峰山と改め一社を建てる。
しかるのち、元弘三年。菊池武重が再興のため拝殿や二王門、鳥居、併せて神領三町七反を寄付。且つ自ら一刀三礼し神体を彫刻した。これが今の神体となる。

金峰山の概要はこんな感じ。

長くなるので引用しなかったが、菊池武重は肥前国から攻めて来た敵によって危険な状況に追いやられるも金峰山権現に祈願したことで勝利を得たとも書かれている。

 

金峰山の場所

金峰山

熊本市街から県道1号線を西にひたすら進む。

そのうち看板が出てくるので迷うことはないだろう。

登山を楽しみたいのなら第一駐車場に停めよう。

いちのまる
いちのまる

私は登山したかったのにも拘らず頂上近くの第二駐車場に停めてしまったので後悔しました…。

 

金峰山は心霊スポットなの?

金峰山

金峰山には幽霊が出るという噂がある。

何か根拠があるのかと平成年間の熊本日日新聞を漁ってみるものの、女性の遺体が発見された記事が1件あっただけであった。事件性は無いとの事。

また心霊スポットとは全く関係ないのだけども、高校生とその仲間が金峰山山中で大麻草を栽培して逮捕されたという興味深い記事もあった。

 

終わりに

金峰山

金峰山から眺める風景はとても良いのだけれども…。

山頂にあるテレビ局のアンテナが全てを台無しにしている。

仕方のない事なのかもしれないが、知らずに登った人はガッカリするに違いない。

コメント

  1. 上総 より:

    市街を一望ですね。
    >マイナスイメージな『霊の山』ではなく『神の山』だと信じて御利益を授かりましょう。
    古文書に登場する山。
    すなおにご利益を授かった方がよさそう。

    • いちのまる より:

      上総 さん

      頂上からの景色はかなりよいです。しかし頂上の景色は悪い…。

      神様が祀られているところなのに心霊スポットになってしまった場所って結構多い気がします。

  2. 匿名 より:

    山道で見通しが悪いために事故多発地域なのが原因なのでしょうね。

    • いちのまる より:

      匿名 さま

      コメントありがとうございます。
      交通事故が多いのですね!
      確かに見通しが悪い割に、飛ばしている人が多かった気がします。

  3. 匿名 より:

    野出村ノ經ノ嶽ヲ二ノ嶽

    野出村の経ノ嶽を二ノ岳、です。二ノ岳は山頂にお経が埋められた言い伝えがあるため別名「経ケ嶽」ともいいます。もっとも熊野嶽ですが。

    • いちのまる より:

      匿名さま

      『野出村ノ經ノ嶽ヲ二ノ嶽』
      ご指摘ありがとうございます!
      確かにそうですね?訂正しておきます!

  4. 匿名 より:

    分からない人にはどう説明しても理解してもらえないのですけど、金峯山山頂周辺は間違いなく雑多な霊がたまる場所です。昔は神様がいたのかも知れませんが、少なくとも今はいないと思います。御神体もあるのかな。長らくちゃんとした浄化もしてないのではと。
    境内と言える山頂部分(テレビ中継施設より上の部分)に雑多な祠があったり、神様とは無関係のはずの地蔵菩薩があるのも異常です。地蔵は仏様だし。裏側は地震で崩れた何かの碑が放置されてたりで、荒れてて不浄な物がたまりやすくなっています。
    天気の良い日は島原まで見通せて絶景が楽しめますが、あまり近づかないことお勧めします。特に夜は。

    • いちのまる より:

      匿名 さま

      コメントありがとうございます!

      そうですね。霊に関しては分からないので何とも言えません。

      ただ割と立派な蔵王権現社が建っていたと思いますし、管理している方がいるのでそこまで悪い状態ではないと私は思いました。
      (アンテナ施設には確かに閉口しました…。)

      日本は神仏習合の文化ですから、神社付近に地蔵菩薩があるのは珍しくはないかも?
      地蔵菩薩は道祖神(守り神)として安置されている場合もあります。

      そもそもここに祀られているのは蔵王権現なので、その起源は修験道にあり仏教でも神道でもないようです。

      夜は物理的に危ないので行かない方がよいでしょうね。

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