先日、紹介した滝不動と同じ路線を通る山元隧道。
正確な竣工年は不明である。1951年(昭和26)と紹介する書籍もあれば1953年(昭和28)と紹介するサイトもある。【上山市史 下巻】にヒントとなりそうな記述があるので引用しよう。
この道路は昭和七年に町村道山元・上山線として、失業救済事業、農村振興事業、時局匡救凶作応急策等が連動した形で開鑿された。こうした形で各種の事業が実施され、それに従事することによって、かなり救済されたことは確かであるが、庶民の生活難の解消にはほど遠いものであった。
1985.3発行 上山市市史編さん委員会 上山市史 下巻
山元村役場資料から作成された表に1932年(昭和7)の工事内容が記載されている。それによると道路改修工事の総延長は719.45mで、その内679.7mが道路(幅5.5m)、39.75mが隧道(幅5.0m)であるという。
説明書きの下部に白黒の山元隧道の写真が貼付されているので、39.75mの隧道は山元隧道のことを指しているのはほぼ間違いないだろう。現在のトンネルと明らかに長さが異なるのだが、内部の素掘り部分がこれに当たるのかもしれない。昭和20年代に竣工というのは改修で、その時に現在の坑門部分が付け加えられたのではないかと推測する。
終わりに
山元隧道には心霊スポットの噂が流れている。
黒木あるじ氏の山形怪談(竹書房出版)に山元隧道の曰くが語られている。トンネルの近くにある火葬場を関連付ける内容であった。地元紙を参照に書かれた記事のようだから、今度図書館に行って山形新聞を漁ってみようかと思っている。(山形新聞に載っているかわからないが)
オカルトサイトでは以下のような怪奇現象が起こると紹介されていた。
処刑された人の霊が出る
子供を抱えた母親の霊が出る
壁面から無数の手が出現する
クラクションを3回鳴らすと呪われる
上の2つは滝不動にも似たような噂がある。どちらが先かわからないけれど、噂の根っこは同じだろう。下2つはトンネル系心霊スポットにありがちな噂だ。『トンネルを通り過ぎると窓ガラスに無数の手形が……』とか『トンネル内でクラクションを鳴らすと電話がかかってくる』などレパートリーは多岐にわたる。

クラクション系のお化けトンネルは山元隧道で7本目です。心霊スポットの噂って冷静に考えてみると滑稽なものが多いです。クラクション系はそれの極みだと思っています。この滑稽さが堪らなく好きです。いつかクラクション系だけでまとめ記事を作成しようかしら。終わり!
コメント