ホラー映画で有名な犬鳴村って本当にあるの?犬鳴谷部落の名残を眺めて思う…。

犬鳴村

都市伝説や心霊スポット界隈で著名な犬鳴村。

巷で噂されるような犬鳴村は存在しない。

かつて犬鳴谷という集落はあったが、1986年(昭和61)に犬鳴ダムの底に沈んでしまった。犬鳴谷の名残があるのでこれについては後で紹介しようと思う。

また犬鳴峠の近くに柳原という小さな集落が存在する。こちらは村と言える規模では無いし、現在人が住んでいるのか分からない。

何故、犬鳴周辺に良からぬ噂が流布されてしまったのか?

別の記事で詳細を紹介しているので↓をご覧いただければ幸いである。

2020年、犬鳴村というホラー映画が公開された

犬鳴村

映画【犬鳴村】は呪怨や輪廻で有名な清水崇監督が指揮を執った。

群馬県出身の映画監督なので同郷の私としては応援したいところだがあまり良い気はしなかった。

固有名詞を出してしまっているので、事実無根な内容だったとしたら犯罪レベルの行為だと思う。

犬鳴谷の史跡として大変貴重なものであるから、思慮の足りない人たちに荒らされるのは忍びない。

 

犬鳴谷の場所

犬鳴村

九州自動車道の福岡ICか若宮ICが近い。

どちらからでも県道21号線に出て進めば到着する。

犬鳴谷の史跡はダムの側道に点在している。一方通行なのでご注意を!

 

犬鳴谷の史跡

それでは犬鳴谷の史跡を淡々と紹介しよう。

ご覧あれ!

 

水車小屋

犬鳴村

 

犬鳴村

この下に水車小屋があったのだろう。

今は何も残っていない。

 

犬鳴焼窯跡

犬鳴村

 

犬鳴村

案内板にある高原五郎七は安土桃山時代から江戸時代前期に生きた陶工。

全く関係無いが看板の近くに庚申塔あった。

『庚申鎮護』と刻まれている。

 

タタラ谷鉄山跡

犬鳴村

 

犬鳴村

 

犬鳴村

どこがタタラ跡なのかわからなかった。

取り敢えず川まで下りてみたが、特に何もない!

 

犬鳴村

 

犬鳴村

分校跡の周辺からダム湖を見ると朽ち果てた橋が見える。

いちのまる
いちのまる

こういうのを見ると堪らなく興奮します。

犬鳴ダムの水量の常は知らないが、もしかしたら渇水時にしか見れない貴重な遺構だったのかもしれない。

 

木炭窯跡

犬鳴村

 

犬鳴村

 

犬鳴村

ここは当時の名残がはっきりと見受けられた。

 

犬鳴御別館について

犬鳴村

犬鳴御別館の入口には厳重なバリケードが張られている。

車やバイクは乗り入れられないので、道脇に駐車して徒歩で進もう。

 

犬鳴村

少し進むとこの様な風景が広がっている。

 

犬鳴村

予想以上に素晴らしい史跡である。

 

犬鳴村

犬鳴御別館は江戸時代後期に福岡藩の家老・加藤司書の命により造られた城の一種。

どのような歴史があるのか振り返ってみよう。

 

犬鳴村

幕末の日本は外国の脅威に曝されていた。

黒田氏の福岡城は海岸近くにあったため外国と戦争になれば標的の対象となる可能性が大いにあり得た。

藩主やそれに附隨するお偉い方を外敵から守るため、艦船からの砲弾が届かない内地の安全な犬鳴山に小さな城を築城したのである。

 

犬鳴村

築城者の加藤司書は勤王派に属し幕末の混乱期に切腹している。

福岡藩は外国と戦争にならなかったため本来の目的を果たす事はなかった。

その後、犬鳴御別館は藩主の休憩所、所謂『御茶屋』になったそうだ。

 

犬鳴村

正面右に大手門、左に搦手門や石垣、城内に庭園跡、司書の記念碑などが残っています。

文書によると、城内に藩主館、城外に長屋や宝蔵、火薬蔵などがあり、東側の西山連山の峠などの五ヶ所に番所を築くとあります。別館は福岡藩で最後に造られた城として貴重です。

犬鳴御別館 説明板より

 

終わりに

犬鳴村

犬鳴谷は林業、たたら製鉄、農業などを生業にする人々が住んでいた集落であった。

犬鳴御別館まで上がって来る招かざる客は殆どいないと思うが、万一荒らされてしまうと最悪バリケードを張られ見学出来なくなってしまう可能性がある。

幽霊見たさに犬鳴トンネルや犬鳴ダムに訪れるのは個人の勝手であると思うが、分別ある行動をとって欲しいものだ。

コメント

  1. なほきち より:

    いちち様 初めまして。
    なほきちと申します。
    先日、生まれて初めて犬鳴峠を通ったのですが、私は大分市から福岡市の大学に出て来まして、
    その時に散々犬鳴峠についての恐ろしい話を聞かされたものです・・・
    それで、「犬鳴」という言葉自体に恐怖心すら感じる程の存在なのです。
    そして、自分が犬鳴峠に近づいている事自体(道程を知らなかった)を把握していなかったものですから
    「犬鳴トンネル」という看板を見た瞬間「ひええぇぇええぇぇ!」と車の中で叫んでしまいました^^;;;

    で、その際に隣にいた夫から「怖いのは旧道の方よ」と言われまして。
    帰ってから調べてみたところ、いちち様のブログに行き当たりました次第なんです。

    実は夫婦で歴史旧跡神社仏閣巡りを趣味にしておりまして、
    いちち様の記事を拝見しましたら、その関連の内容が沢山♪
    「すごい!すごい!すごーい!」と夢中になって読んでしまいました!
    特に「この犬鳴谷村」のお城跡・・・すごいです。
    夫にすぐに見せて「もう少し暖かくなったら行こう!」と話しております。
    (うちの夫は秋月黒田藩に仕えていた武士の末裔ですので、福岡黒田とは言え親近感が・・・)
    お陰で、「犬鳴」の地名に対する恐怖心の様なものがほぼ無くなったぐらいです!
    本当にありがとうございます^^*

    それと、杵築の回天神社さんも、近々行ってみる予定です。
    実家に帰る時に寄り道しようと思えば出来るので。
    赤迫湖は、実家のすぐ近くで、まだ実家におりました頃よくその近くの温泉に行っていたので
    いちち様の記事で思いがけずその地名を見たのもまた嬉しかったです。

    なんだかまとまりの無い内容で申し訳ありません・・・
    感謝を伝えたかったのです^^;;;
    また覗きに来させてくださいね。
    まだまだ寒さが続きます、お身体ご自愛下さい。

  2. なほきち より:

    あれ?
    先程投稿させていただいたコメントが反映されないですね(^_^;)
    私の操作がおかしかったのかも、、、
    少し長めな文章だったので、再び打ち直す元気が出ない為、一旦寝ましてまた明日の夜に投稿させていただきます(*^^*)

    • いちのまる より:

      なほきち さま

      コメントありがとうございます!
      承認制になっているので今反映されたと思います。

      犬鳴峠は日本で3本の指に入るほど有名な心霊スポットですからね。
      犬鳴御別館はとてもよいところですよ!是非行ってみてください。

      赤迫池は何で『丹』じゃなくて『赤』にしたのか気になるところです。
      私としては暗い意味ではなく良い意味で解釈したかったので若干無理やりな感じがありますが、
      あのような内容の記事になりました。

      >夫婦で歴史旧跡神社仏閣巡りを趣味にしておりまして
      羨ましい限りです!趣味を共有できる存在がいると人生楽しくなりますね!

      最後に、お心遣いありがとうございます。
      なほきちさんも風邪などひかないよう、あたためてお過ごしください。

      • なほきち より:

        いちち様

        ご返信ありがとうございます(*^^*)
        承認制と存じませんで、そそっかしい2回目のコメントで失礼致しました!

        赤迫池(前回、湖と書いてしまいましたが、池でしたね)の赤が、丹から来ていた事など全く知らず、赤迫と言う名前についても特に疑問を抱かずに暮らしておりましたものですから、すごく新鮮で、勉強になるなぁ~と感謝の気持ちでおります(*^^*)

        私は坂ノ市中学校卒なのですが、坂ノ市小学校と小佐井小学校と丹生(にゅう)小学校が一緒になるので、その時からの友人が丹生に今も暮らしていますし、丹生さんという友達も何人かいるので(必ずしも丹生に住んでいる訳ではなく、坂ノ市小学校区の丹生さんもいました)、機会があったら聞いてみたいですね・・・。
        ただ、歴史旧跡巡りでも言える事なのですが、興味が無い人には全くさっぱりちんぷんかんぷんな事みたいで、話していて日本語が通じない事(苦笑)すら多々あるので、答えは得られない可能性もありますが。゚(゚´Д`゚)゚。

        犬鳴谷別館に行く日が本当に楽しみです。
        あ!それと前回書き忘れてしまったのですが、
        群馬県から大分県へようこそヾ(●´∇`●)ノです♪
        これ、とっても言いたかった事でした!!
        では失礼致します!

        • いちのまる より:

          なほきち さま

          >ただ、歴史旧跡巡りでも言える事なのですが
          わかります…。ネット上ですと多くの方が興味を持って
          いろいろ調べたり聞いたりしている感じがしますが、
          殆どの方が興味ないのですよね。
          まぁ、それはどんなことにも言えることですが。

          大分に住み始めて2年半たちましたが、住みいいですね!
          ただ、関東が少し恋しくなってきたのも事実です。

          これからもお気軽にコメント下さい。
          あたたかいメッセージありがとうございました!

  3. バイク人 より:

    初めまして。
    福岡県出身の者で、楽しく記事見せて頂きました。
    自分もダムとか好きでよく巡ってまして、犬鳴ダム湖畔を周回したときは、
    干上がった湖底に出てきた旧犬鳴村の遺構とか見て楽しんでました。
    ネットで噂されてるような犬鳴村に迷い込んだら…みたいな噂は勿論
    嘘だと最初から分かったので、その説を見るたびに呆れてました笑
    旧トンネルも昼間に見たことはありますね~。

    今度映画になるのは初めて知りました。
    どんな映画になるかは知りませんが、知能が足らない連中が、大挙して
    押し寄せるようなことにならないといいですね。

    • いちのまる より:

      バイク人 さま

      初めまして。コメントありがとうございます!

      当時使われていた橋とか道を発見すると何とも言えない気持ちになります。
      発見した喜びもあり、頽廃的な切なさもありみたいな。

      犬鳴峠の噂は特にひどいですね。
      ネット上の情報を見ると本気で信じている人が一定数いてビックリします。

      映画は題名を変えるか、放映しないほうがいいと思いました。
      『犬鳴村』という題名はあまりに直接的だなぁと感じます。
      多分、自治体も策を講じているのではないでしょうか。

      • バイク人 より:

        返信ありがとうございます(^^)

        映画の公式サイト見てきましたが、トップページに何一つ
        正しい情報が無くて、逆に笑えてきました…笑

        タイトルを変更すべきって意見はとても良く分かります。
        ここまで直接的なタイトルのホラー映画、中々無いですよね。

        • いちのまる より:

          バイク人 さま

          そうなんです。笑えてきますよね(笑)

          八つ墓村みたいに実際に起こった事件をモデルにして…。とかならわかるのですが、
          犬鳴村で何かが起こったわけではないですからね。
          峠で殺人事件はありましたが、ホラー映画にする内容ではないと思いますし。

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