皆さんは広瀬武夫をご存知でしょうか？
彼は1868年（慶応4）に大分県竹田市で生を受け、1904年（明治37）に没した大日本帝国海軍の軍人です。
この記事では広瀬武夫が祀られる広瀬神社の風景を見つつ彼人生、そして彼を語るには外すことのできないアリアズナという女性について紹介いたします。
それでは参りましょう！
広瀬神社へのアクセス
広瀬神社は1935年（昭和10）5月25日に広瀬武夫を御祭神として創建された霊堂です。
自動車で来られる場合、ナビ（googlemap）で『大分 広瀬神社』で検索すれば出てきます。竹田ICから6～7分の距離。駐車場は隣の岡神社境内にありますが、非常にわかりにくかった。神社入口裏手の急勾配な坂道が駐車場の入口です。
JR豊後竹田駅から徒歩で行くことも可能ですが、15分ほどかかります。
広瀬武夫について
広瀬武夫は大政奉還の翌年（1868年）に岡藩士の広瀬重武の次男として生まれました。
母親は早くに亡くなってしまったので父親から直接教育を受けて育ちました。上京後、海軍兵学校を経て軍人に。まずは練習艦・比叡に搭乗。測量艦・海門の甲板士官などを務めています。
1894年（明治27）に起こった日清戦争に従軍し戦艦・扶桑の乗組を命じられます。このとき敵から砲撃を受けたものの最前線での戦闘はなかったようです。
日清戦争後、大尉に昇進。1897年（明治30）にロシア留学（偵察含む）へ。
ロシア語やロシア国内の実情を学び留学生から駐在員になります。1900年（明治33）少佐に昇進し、翌年帰国。あと1年半ほどロシアに駐在したいと上司に伝えますが叶いませんでした。
そして1904年（明治37）、運命の日露戦争がやってきます。
日露戦争での海軍の役割は、
・中国本土で戦う陸軍への輸送任務
・ヨーロッパ側から迫る世界最強と謳われたバルチック艦隊と旅順・ウラジオストック艦隊の合流を防ぐこと
でした。
結果は海軍が黄海海戦で旅順艦隊、蔚山沖海戦でウラジオストック艦隊の力を削ぎ、陸軍大将・乃木希典が攻略の要といわれた二〇三高地を攻略。
その後、大山巌率いる陸軍が奉天会戦で勝利し、東郷平八郎率いる海軍が日本海海戦でバルチック艦隊に圧勝。そして日露講和の話が進み日本の辛勝に終わります。
残念ながら広瀬は日本の勝利に立ち会えませんでした。
バルチック艦隊の到着を待つロシアの艦隊に対して行った『旅順港閉塞作戦』で戦死してしまったのです。閉塞作戦は旅順港の出入口で軍艦を自沈させて塞いでしまおうというものです。
旅順港閉塞作戦は有馬良橘（中佐）、広瀬武夫が提案し、アメリカ留学で実際の閉塞作戦を観戦した秋山真之が計画したといわれています。連合艦隊司令長官の東郷平八郎は作戦実行者の生存率があまりに低いと深く悩みましたが断腸の思いで決行しました。
閉塞作戦は3回に亘って行われました。広瀬は第二回旅順港閉塞作戦で福井丸に17名の志願者と共に乗り込み旅順港へ進軍します。旅順港の自沈予定地点に到着したとき、ロシアの駆逐艦に発見され魚雷を撃ち込まれます。
すぐさま短艇で脱出しましたが、自沈のため爆薬点火係を任されていた部下の杉野孫七が見当たりません。部下を按じた広瀬は福井丸と短艇を3度に亘り往復します。しかし一向に見つかりません。
止む終えず短艇に戻り福井丸から離れるように命じたその時！ロシアの陸上砲撃が広瀬を直撃し殉職。
遺体は福井丸付近で発見されロシア軍に埋葬されました。余談ですが靖国神社遊就館には飛び散った肉片がかすめた跡の残る兵士の帽子が奉納されているそうです。
自らの命を顧みず部下の安否を思いやる行動から明治以降初の軍神を冠されました。
アリアズナと広瀬武夫の関係
現地案内板より
アリアズナは広瀬武夫がロシア留学・駐在中に出会ったロシア人女性です。一般的には文通をする恋仲だったといわれています。彼女は広瀬がロシアを去るとき銀時計と自分の写真入りのロケットを渡しました。そして広瀬戦死の報が入ったとき、一人喪に伏したそうです。
ただ、あまりにも情報が少なすぎるためお互いがどう思っていたのかはわかりません。手紙の内容を見るとアリアズナは広瀬に好意を持っていたのは間違いなさそうです。
ちょっと興ざめですが、アリアズナの父親が機雷敷設の専門家だったため、それに近づきたかっただけという冷たい意見もあります。
相思相愛だったと信じたいですね。
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